病棟看護師さんへ

研修レポートの書き方/認定看護管理者研修  ファーストレベル

レポート・小論文 構成の基本

第1段落 主張 自分考え

第2段落 根拠 論拠 参考・引用文献

第3段落 予測される反論と踏まえた考え

一方、  という考え方もあるだろう。

確かに  という考え方もできる。

しかし、そのような考え方であれば、

第4段落

以上のことから      このように

記載例1 組織管理論

組織管理論  

「看護管理とは何かを自分の立場で考え、あなたの役割と活動について述べる。」

「部署全体での教育支援体制を目指したチーム支援型教育の導入における教育担当者の役割」

 私は総合病院手術室で○年経験し、今の施設に来て○年目である。一スタッフであるが、今までの経験から管理・運営に携わることもある。私の考える看護管理とは「組織管理能力」「質管理能力」「人材育成能力」「危機管理能力」「政策立案能力」「創造する能力」を発揮し、自部署で生じるいろんな難しい問題に対して、うまくやりくりすることと考える。そして、当院手術室の抱えている難しい問題の1つに新人教育がある。当院手術室では配置転換で来た看護師の教育においてプリセプターシップで行っている。アソシエイトやメンターといった制度は取り入れていないため教育・精神的フォロー他の全てをプリセプターが行っている現状である。そのため、一人で教育プログラムを基に教育の具体的な計画・実施・評価を行ない、その状況をスタッフに伝達している。さらに精神的フォローまで担っており、責任が大きいと考えられる。この責任の中でアソシエイト制がないためプリセプターの明確な相談相手や精神的フォローをするものが居ないため負担も大きいことが考えられる。そこで、部署全体での教育支援体制を目指したチーム支援型教育の導入を提案した。そして、私は教育担当者に推薦され新体制での企画・運営を中心となって行っている。

 日本看護協会は病院看護管理者のマネジメントラダーにおいて、病院看護管理者の能力を「組織管理能力」「質管理能力」「人材育成能力」「危機管理能力」「政策立案能力」「創造する能力」の6つのカテゴリーで示している。また、中島は看護管理とは要するに「自分の部署で生じるいろんな難しい問題に対して、うまくやりくりすること」なんです。¹⁾と述べている。こういった考えの中で、マネジメントを進める3つの力①ニーズをよむ力②分析を深く行う力③実行する力を使い、新体制での運営を成し遂げていかなければならないと考える。次に厚生労働省は「新人看護職員研修ガイドライン」の中で新人看護職員研修は、所属部署の直接の指導者だけではなく、部署スタッフ全員が新人を見守り、幾重ものサポート体制を組織として構築することが望ましい。²⁾と述べている。また、日本看護協会は新人看護職員臨床研修における研修責任者・教育担当者育成のための研修ガイドにて「教育担当者は、看護部門の新人看護職員の教育方針に基づき、各部署で実施される新人看護職員研修の企画、運営を中心となって行う者であり、実地指導者への助言及び指導、また新人看護職員へ指導、評価を行う。」³⁾としている。このことから新体制において、部署スタッフ全員が新人を見守り、幾重ものサポート体制を組織として構築していかなければならないと考える。また、これには私が教育担当者としての役割をしっかりと理解し、実行していかなければならない。

 一方、従来のままの教育体制が良いという考え方もあるだろう。確かにプリセプターシップは確立した教育体制であるし、アソシエイトやメンターを配置し新人指導のすべてを担わなくてよいとする考え方でもよいのかもしれない。しかし、そのような考え方であれば、その他のスタッフの役割が明確でなく部署スタッフ全員が新人を見守り、幾重ものサポート体制という形には程遠い状況が予測される。更に今回のチーム支援型教育にはプリセプターやメンターを配置している。

以上のことから私は現状の立場において、今回は特に「人材育成能力」「政策立案能力」「創造する能力」の3つを中心に発揮し、運営を成し遂げていき教育体制を再構築させなければならない。変えるのは簡単ではなく、色んな問題が出ることが予測される。そういった時に諦めるのではなく全体でディスカッションし、1つ1つ解決していきたいと考える。ディスカッションの場を教育担当者としてつくり助言などを行い、部署スタッフ全員が新人を見守り、幾重ものサポート体制を組織として構築していきたい。

                                           (本文1599字)

引用文献

1)中島美津子:看護管理なんてこわくない(1),かんかん看護師のためのwebマガジンby医学書院,2010,

2020年10月24日閲覧, http://igs-kankan.com/article/2010/11/000120/

2)厚生労働省(2014):新人看護職員研修ガイドライン(改訂版),p.3,2020年10月24日閲覧, https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000049578.html 

3)日本看護協会:新人看護職員臨床研修における研修責任者・教育担当者育成のための研修ガイド, p.6, 2009.

参考文献

日本看護協会:病院看護管理者のマネジメントラダー日本看護協会版,p.6,2019.

手島 恵編集:看護管理学習テキスト,第3版,3巻,p.69-70,2020.

記載例2 ヘルスケアシステム論

ヘルスケアシステム論 

「これからの地域医療へ貢献するために自施設の課題・多職種連携を踏まえた方略-可能性、方向性、具体策など-」

「急性期病院における周術期医療の質の確保を目指した周術期管理チームの将来」

当院は○○県○部地区医療の最後の砦とも称され、地域医療支援病院・地域がん診療連携拠点病院・地域救命救急センター・地域災害拠点病院等の承認・指定を受けている。地域の救急医療においては、三次救急医療機関として、1人でも多くの救急患者の生命維持を行うことが当院の役割である。また災害医療においては県内外で大規模災害が発生した場合には、被災した地域への救護班およびDMATを派遣し、被災地の医療支援を行っている。さらに当院は、地域がん診療連携拠点病院として他の地域がん診療連携拠点病院と協力しながら、都道府県がん診療連携拠点病院、さらには独立行政法人国立がん研究センターなどから支援を受けつつ、佐賀県北部医療圏のがん診療にさらなる多くの貢献ができればと考えている。具体的には、がん患者の診療はもちろんのこと、患者のかかりつけ医の先生をはじめとする医療関係者への診療支援、診療連携、情報提供などを行うためにがんに関する講演会や研修会などを催すとともに、がん患者の相談支援、がん患者・家族サロンの開催、がん登録を積極的に行ってる。

上記のような役割を担っている当院において、地域医療への貢献に向けた取り組みとしてPFM(Patient Flow Management)を○○年度より導入した。入院前に患者さんの基本情報を集めておくことで、退院への問題解決に向けて早期に着手できると同時に、病床の管理を合理的に行うことが可能となる、入退院管理システムのことである。PFMの導入は病床を効率的に運用し、地域における患者さんの流れを向上させることから地域包括ケアの構築にもよい影響を及ぼすとされている。私の所属する手術室においても早期に薬剤管理の状況把握(抗血小板剤等)、体位への対応(円背・褥瘡等)ができ役立っている。また、こういった考え方は近年手術看護・麻酔看護領域においてもよく言われており、周術期看護・周術期管理といったものである。手術という外科的治療を必要もしくは選択肢の1つと医師が判断し、患者(家族)がそれを選択した時から術後回復、退院・社会復帰までを想定した看護・管理を行うといった考え方である。周術期管理・医療には多くの職種の力を必要とする。しかし、都会に比べ、マンパワーが不足しているにもかかわらず、多くのリスクを抱えた高齢の手術患者に対応しなければならないのが、地方病院の現状であり、当院も同様である。この大きな原因は、手術室に例えば薬剤師や臨床工学技士を配置しても診療報酬加算等がないからである。日本麻酔科学会は2005年に「麻酔科医マンパワー不足に対する日本麻酔科学会の提言」を発表し、2007年に「周術期管理チーム」構想を打ち出した。そこでは、麻酔科医が関与する周術期の診療を効果的に実施できるように、多職種で構成される周術期管理チームの立ち上げを推奨している。併せて、この制度をより確かなものにするために、診療報酬制度の中で「チーム医療・周術期管理チーム加算〔案〕」が可能になることが大切な要素であることから、日本麻酔科学会ではその達成に向けた対応も進めている。こういったことから私は当院においても周術期管理チームの発足・活動開始を目指したい。

 日本麻酔科学会は周術期管理チーム認定制度ホームページにて「周術期医療を安全なものとし、質の高い医療を提供するためには、従来の診療環境では様々な困難があります。前述のとおり周術期医療の質の向上のためには、基礎疾患のリスク管理や多職種の連携を築くことがもっとも重要です。」¹⁾と述べている。また周術期管理チームテキスト第3版において「安全で安心な周術期医療の充実にためにはチーム医療が不可欠であり、周術期管理チームによる総合力によって、より安全で効率的な周術期医療が可能になるという認識のもとに、長年活動してきました。」²⁾と述べている。このことより北部医療圏の急性期医療を担う当院においても周術期管理チームの活動は不可欠であると考える。

 一方、必要ないという考え方もあるだろう。確かに現状のように医師が薬剤調整をし、手術室の看護師がME機器の管理を行うでよいという考え方もあるだろう。しかし、そのような考え方では、医師の働き方改革・タスクシフティング・タスクシェアリングには程遠い状況で、看護師も通常の業務に加えてME機器の管理まで担うと医師との協働を困難なものとしてしまう。

 以上のことから北部医療圏の急性期医療を担う当院が地域医療へ貢献するためには周術期医療の質を向上させ紹介患者をスムーズに逆紹介していくことが求められ、そのためには周術期管理チームによる総合力によって、より安全で効率的な周術期医療が必要となると考える。そして、その実現に向けた大きな一歩となる診療報酬改定が本年度あり、その内容が術中・麻酔領域パッケージの特定行為研修を修了した看護師が医師と協働することで麻酔管理料Ⅱを算定できるというものである。このことでチーム医療を推進し、看護師がその役割をさらに発揮するための大きな前進であり、他のスタッフへの良い刺激となることが予測される。また、病院としても収益が見込めれば多職種連携に費用を捻出しやすくなる。さらに近年の周術期医療の大きな動きの一つとして米国インテュイティヴ・サージカル社da Vinci (医療ロボット)の各種特許が切れ、日本を含む多くの企業が同様のロボット開発を行い、現状よりも安価な手術支援ロボットが出てくることが予測され、当院での導入も十分にあり得る。そうなると臨床工学技士が手術室内に入る機会が増え、多職種連携への前進となる。このようなことから困難であった周術期のチーム医療の実現が現実的なものとなってきている。しかし、これは2025年・2040年の医療には必然的なものであると考える。患者が増え、医療者・医師が減れば看護師をはじめとした多職種連携でその役割を担い、AIやロボットの力も借りながら周術期医療の質を保っていかなければならない。このことを踏まえ、一日も早く特定行為研修受講・周術期管理チーム発足に向けた取り組みを開始しようと考える。

                                 (本文2464字)

引用文献

  1. 日本麻酔科学会:周術期管理チーム認定制度 設立背景,2020年11月20日閲覧,〈http://public.perioperative-management.jp/〉
  2. 日本麻酔科学会:周術期管理チームテキスト第3版,序文,p.ⅴ,2016年

参考文献

  1. Medical Note:PFMとは?注目される新しい入退院管理システム,2020年11月20日閲覧,〈https://medicalnote.jp/contents/170824-005-WB
  2. 日本麻酔科学会:周術期管理チーム認定制度 本制度について,2020年11月20日閲覧,〈http://public.perioperative-management.jp/〉
  3. 厚生労働省保険局医療課:令和2年度診療報酬改定の概要(働き方改革の推進),令和2年度診療報酬改定Ⅰ-3 タスク・シェアリング/タスク・シフティングのためのチーム医療等の推進-②,2020年11月20日閲覧,〈https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000603943.pdf

記載例3 人材管理

人材管理 「人材育成の基礎知識で学んだことを踏まえて、自部署における人材育成上の課題を明確にし、今後取り組みたい人材育成について自分の考えを述べよ。」

「手術室における中堅者向け教育プログラムの作成~学会発行のクリニカルラダーを活用して~」

 私は総合病院手術室で○年経験し、今の施設に来て○年目である。一スタッフであるが、今までの経験から管理・運営に携わることもある。当院手術室における人材育成上の課題は新人以外の教育プログラムがないことと考える。新人以降の学習が全て個人に委ねられているため知識の個人差が大きい。また業務的に覚えている内容が多く、根拠と結びついていないため無駄な作業となっているものもある。更に当院は手術室には新人では配属されず、また配置転換が多いため風土として手術室への苦手意識が強くあるように感じる。具体的には一人前から中堅といったレベルで配属され、業務的に慣れてきて、これから手術看護のやりがいを感じたり楽しめるようになる5.6年目には異動を意識する。それによってこれらを深められないままとなり、苦手意識が解消されない状況が続くという悪循環があると考える。さらに看護や知識を深められていないことをマンパワーで補おうとしているため、状況によっては補えずに医師に注意を受けたりインシデントとなる場合もあり、それによって更に手術室が嫌になることもある現状である。このことに対して、中堅者の教育プログラムを作成することで人材育成の方法を変えていきたい。

 当院手術室には○年前に私が入職するまで他施設の手術室経験者がおらず、その後に入職したもう1人を含めて2人である。それまでは師長以外に手術看護学会員はおらず、院外研修参加者も殆どいなかったため外からの情報が入りにくい状況ににあったと考える。その中で2名の他施設手術室経験者が入り、クラントンの意識変容の学習:自己を批判的に振り返ろうとするプロセスが起こりやすい環境になったと考える。スタッフからも「5年以上もいるのに何も身についてない」や「知識不足」「勉強不足」といった声が聞かれ、「何を勉強すればいいの」「どうやって」「何を見て」といった声も同時に聞かれる。このことに対いて、日本手術看護学会が2021年1月に発行したクリニカルラダー2020年改訂版を活用し、中堅者の教育プログラムを作成したいと考える。このラダーは学会が2017年より「手術室看護師の『臨床実践能力の習熟度段階』(クリニカルラダー)」の改訂に着手し、ラダーの枠組みや評価項目および運用方法を見直し、各ラダーと「看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)」との整合性を行い、臨床実践で活用しやすいようにしたものであり、ラダーは勿論として教育プログラムを作成する上においても大いに活用できると考える。

 一方、ラダーや教育プログラムは必要ないという意見もあるだろう。確かに成人学習は自己主導的学習であり、   必要に応じて自己に適した手段・方法を自らの責任において選択するのが望ましいという考え方もできる。また手術看護学会の実態調査において新人以外の教育プログラムがあると答えた施設は48.3%となしのほうが51.1%と上回っている。しかし、そのような考え方であれば、現状にある知識の個人差は埋められず、悪循環も生まれ、何よりも変わりたい・変えたいと思っているスタッフが良い方向に向かっているものを後押しできない。学会のデータも48.3%の施設は既に実行に移し、残りの51.1%も作成したいができていないという施設も多いと考えられる。

 以上のことから当院手術室の中堅者を対象とした教育プログラムを作成しようと考える。上記にも述べたように学会出版のクリニカルラダーを活用し、更に詳しい内容の中には手術医学会が出版している手術医療の実践ガイドラインや麻酔科学会のガイドラインの内容を入れていこうと考える。全てのスタッフが達成の可能性と目標の魅力を感じられるような具体的なプログラム内容でなければならないと考える。そして現状を分析し、個々の経験を振り返ることで、課題を再認識してもらうという潜在的な動機への援助より今回の取り組みを行っていこうと考える。

                                 (本文1592字)

引用文献

日本手術看護学会ホームページ:出版物,会員専用ページ,第6回会員実態調査結果,閲覧2021年2月14日

参考文献

  1. 日本手術看護学会:手術室看護師の「臨床実践能力の習熟度段階」(クリニカルラダー)2020年改訂版
  2. 日本手術医学会:手術医療の実践ガイドライン(改訂第三版)
  3. 日本麻酔科学会ホームページ:医療関係者ページ,指針・ガイドライン,閲覧2021年2月14日

記載例4 資源管理

資源管理 「情報管理における自部署の看護記録(看護情報)の現状および問題点と対策について」

「周術期看護(周術期管理)を目指した繋がり・連携のある手術看護記録への取り組みについて」  

 私の所属する手術室においての看護記録の意義は1.看護の実践を明示する、2.患者に提供するケアの根拠を示す、3.医療チーム間、患者と看護者の情報交換の手段とする、4.患者の心身状態や病状、医療の提供の経過およびその結果に関する情報を提供する、5.患者に生じた問題、必要とされたケアに対する看護実践と、患者の反応に関する情報を提供する、6.施設がその設立要件や診療報酬上の要件を満たしていることを証明する、7.ケアの評価や質向上およびケア開発の資料とする、などがあると考える。その中で、後輩スタッフが昨年度、当院のクリニカルラダーの研修(課題解決)において、主に1.2.4.5の項目をフリー入力からテンプレートに切り替えることで大きく改善された。しかし、3.については現状、当院独自の情報収集用紙にカルテから情報を書き出しており、麻酔科医他のスタッフとの連携がされていない。また手術看護記録が電子カルテの独立した位置にあり、一般の診療・看護記録部分に反映されないため病棟看護師は術中の情報を確認しづらいといった問題点がある。この問題点に対して、本年度より導入した麻酔・手術支援システム(主に麻酔記録・コスト管理)の麻酔科医の術前評価用紙を活用すること。また、手術看護記録の主に病棟で必要とする情報部分をコピーし、一般看護記録部分に記載するといった対策を考えている。

 日本手術医学会は手術医療の実践ガイドライン(改訂第三版)において手術看護記録の目的を「①周術期看護の実践と適切性の証明、②手術室看護師が提供する看護の根拠の明示、③周術期看護の評価と看護の質の向上、ケアの開発の資料とする、④包括医療制度等の診療報酬上の要件を満たしていることの証明、⑤手術室看護師と患者、医療者間の情報交換や継続看護のための手段、⑥医療事故や医療訴訟の際の法的資料」¹⁾としている。また、日本看護協会は看護記録に関する指針において看護記録の目的は、「看護実践を証明する」こと、「看護実践の継続性と一貫性を担保する」こと、「看護実践の評価及び質の向上を図る」ことである。²⁾とし、「看護実践の継続性と一貫性を担保する」は看護職の間で、看護記録を通じて看護実践の内容を共有することにより、継続性と一貫性のある看護実践を提供することとしている。このことより、医療者間の情報交換を目的とした記録用紙の変更(術前評価用紙の活用)と継続看護と一貫性を担保するための記録部分の追加は必要な対策と考える。

 一方、現状のままで良いという考え方もあるだろう。確かに慣れたものが良い・変えることで何かミスが起こるかもしれないという考え方もあるだろう。しかし、そのような考え方であれば、何も変えることはできず、現状の情報を転記していることは無駄が多く、転記ミスのリスクもあり今後、人材不足をAI等で対応していかなければならない中で後ろ向きな内容となる。

 以上のことから現状、術前の患者情報・手術麻酔侵襲によるリスク・周術期管理プラン等の共有ができていないことに対して、麻酔・手術支援システムの術前評価用紙を共用することで情報交換の場となり、さらに基本的な情報はシステムにより自動的に抽出されるため転記ミス等を防ぐことができる。また、病棟看護師との継続看護と一貫性の担保については電子カルテのシステム上、障害があるため、必要分をコピーして一般看護記録にも記載する。この必要分の内容としては、昨年度に看護研究において手術室看護師と病棟看護師の申し送りにおける求めている内容の差を明らかにしたためその内容を活用し、質の高い周術期看護を目指していきたいと考える。そして、学会等が発信する情報をいち早く取り入れ、適時内容を見直し、地域連携を考慮したより多職種が繋がるものへと改善していこうと考える。

                                 (本文1553字)

引用文献

  1. 日本手術医学会:手術医療の実践ガイドライン(改訂第三版),S72,2019年
  2. 日本看護協会:看護記録に関する指針,2018年

参考文献

  1. 厚生労働省ホームページ:2020年12月30日閲覧,〈https://www.mhlw.go.jp/〉
  2. 日本手術看護学会:手術看護業務基準,p77~81,2017年